電光石火の一撃を決め、節目の一戦に彩りを添えた。阪神鳥谷敬内野手(33)が、広島戦で500試合連続フルイニング出場を達成した。存在感が際立ったのは1回表だ。1番打者として広島野村の初球、真ん中の直球系を丁寧にミート。ライナーで中堅右に二塁打を運び、3番福留の右前適時打で先制のホームを踏んだ。

 「積極的に甘い球を打とうと思っていた。いい形で得点できて良かった」

 2打席目以降は快音から遠ざかったが、遊撃守備では難しい当たりを何度も冷静にさばいた。12年3月30日DeNA戦(京セラドーム大阪)から1イニングも休まずプレー。遊撃手のプロ野球記録を1人旅で更新中だ。かつては「毎年、これはヤバいというケガが1回はあるよ」と苦笑い。実際、今季も4月にわき腹を痛めて記録ストップの危機に立たされた。それでも当然のようにグラウンドに向かう強さがある。

 常々「シーズンに入れば個人記録には一切興味がない」と力を込めるキャプテンだ。チームは4連勝でついに首位奪取。ただただ、目の前のゲームを取ったことを喜び、充実感たっぷりの笑顔で球場を後にした。【佐井陽介】

 ▼鳥谷の連続試合全イニング出場が500試合に到達した。鳥谷は12年3月30日DeNA戦(京セラドーム大阪、同年の開幕戦)からフルイニング出場を開始。遊撃手としてのプロ野球記録を保持している。鳥谷は過去5シーズン(06、08、12~14年)で全イニング出場を達成。今季も継続し6度となれば、最多の金本知憲(広島-阪神)10度に次ぎ、松井秀喜(巨人)と並んでプロ野球2位となる。なお連続試合出場は1534試合で、(1)衣笠祥雄(広島)2215試合(2)金本1766試合に次ぎ、史上3位。