イケメン韓流右腕が中継ぎ初勝利を挙げた。ロッテのイ・デウン投手(26)が1-1の7回1死二塁で登板。後続2人を抑えピンチを脱した。その裏に味方が勝ち越し、チームトップの7勝目を手にした。先発で6勝を挙げていたが、多くが大量援護によるものだった。6月前半に中継ぎに配置転換されてから、持ち味の力強さが戻った。チームはオリックスに2連勝で、再び4位に浮上した。

 意気に感じ、マウンドへ向かった。同点の7回1死二塁。ピンチにも、イ・デウンは「準備はできていた」と動じなかった。まず、オリックス西野を二直。140キロ台後半の直球でカウント2-1とし、最後はフォークで芯をずらした。続く安達もフォークで遊ゴロ。0でつなぎ、その裏の味方の勝ち越しで白星が転がり込んだ。

 開幕から2カ月。先発で6勝を挙げたが、内容が悪すぎた。四球で自滅し、防御率は5点を超えた。勝利数と見合わなかった。投げやりな感情を表に出し、首脳陣に注意を受けたこともある。米マイナー7年間で40勝。野球の母国でもまれた経験を生かせずにいた。

 転機が来た。6月8日に不振のロサが降格し、空いた右の中継ぎが巡ってきた。最速150キロ超。フォークで三振も取れる。適性を見いだされた。転向初戦の9日の中日戦こそ2失点で先発の勝ちを消したが、その後の6試合で1失点のみ。今では「チームの力になりたい。やりがいがある」と断言する。日々の映像チェックを欠かさない。肘の角度を微調整し、制球が定まった。左の藤岡とともに、8回の大谷、9回の西野につなぐ。勝ちパターンが定まった意味は大きい。

 この日は女性へのファンサービスを充実させたイベント日。女性ファンによるイケメン投票で5位にランクインした。「1位じゃないの?」とおどけた。休日には、10時間かけてガンダムのプラモデルを作るインドアな一面もある。「いつか、また先発」の思いは封印した。顔だけじゃない。投球でも、ファンの心をつかんだ。【古川真弥】