闘争心なき者は去れ! 中日は広島に力なく完封負けを食らってまた連敗脱出に失敗した。5連敗は今季初めて。谷繁元信兼任監督(44)も口調を強めた。

 「誰か引っ張る選手が出てきてくれたらいいが、1人ではなかなかできない。みんなで乗り越えるしかない。しっかり準備して、相手に立ち向かっていく。そういう思いがない選手は、キツい言い方だけど、勝負する価値がない」

 特定の選手を指したかは不明だが、5連敗中に監督の目に何度も失望のシーンが映ったのは事実だ。

 初回からちぐはぐだった。大島、荒木の連打で無死一、二塁。左腕ジョンソンを攻め落とす格好のチャンスで3番森野はバントを連続ファウル。フルカウントになり、ランエンドヒットがかかったが、外に逃げるボール球のカットボールを空振り三振、三塁盗塁も失敗。最悪の結果になってしまった。

 森野は「ボール球。あれでチームの流れが悪くなった」と猛省した。右手親指骨折で離脱していたためジョンソンとは初対戦。「ストライクだけ打て」のランエンドヒット。ベテランでも初めて見る軌道に対応するのは難しかった。

 シュンとしぼんだ打線は2回以降いいところなし。鯉の助っ人に快投を許した。「初回で試合が決まったようなもの。相手を助けた」と指揮官。投手も野手も互いのミスをカバーできない。防げるミスをなくすこと-。耳にタコができるほど監督の口から聞いてきた根本に立ち返るときだ。【柏原誠】