広島がミスを連発し、5連勝と借金完済を逃した。1回は本塁クロスプレーで石原慶幸捕手(35)が返球を落球するなど2点を献上。4回の攻撃では二塁走者新井貴浩内野手(38)が中飛に飛び出して走塁死。5回の守備でも田中広輔内野手(26)の失策から追加点を許した。打っても久保を攻略できなかった。ただ、いずれも積極プレーの中でのミスで、緒方監督が責めることはなかった。反省して、また出直すだけだ。

 ミスが出ると、試合の流れは一向に傾かない。広島が序盤から悔やまれるミスを連発してしまった。守備では1回1死一塁の場面。梶谷に左翼線を破られ、一塁走者石川は一気にホームを狙ってきた。ボールはエルドレッドから遊撃田中を中継し、捕手石原へ。タイミングはアウトだったが、石原はボールを取り損ね、先制点を与えた。その後も筒香の飛球をエルドレッドが左越えとされるなど、拙守が続いた。

 緒方監督 ミスが出てしまうと、こういう展開になってしまう。ただミスはつきものだし、しっかり攻めたなかでのミスだから。消極的なミスなら許さないけど、そうではないからね。

 5回には関根の打球を遊撃田中の失策で先頭打者の出塁を許し、追加点を奪われた。グラウンドは水を含み、打球は勢いを失っていた。チャージをかけての失策だった。攻撃では4回に三塁線を破る適時二塁打を放った新井が、続くエルドレッドの中飛で飛び出した。いずれも焦りが生んだミスだったが、指揮官は積極プレーとして責めなかった。

 打線も元気がなかった。黒田を援護したかったが、DeNA久保の前に決定打を出せなかった。打者が何度も首をひねるなど、外角に広い傾向にあったストライクゾーンをうまく攻められた。4月に黒星を喫した相手だ。やり返そうと指示を出していたが、さらに上を行かれた。

 緒方監督 狙い球とか指示を出していたが、それ以上の投球をされた。それをされるとなかなか点は取れない。走塁のミスもあったし、流れをこっちに持ってこれなかった。

 借金完済に王手をかけた一戦だったが、流れをつかめないまま敗れた。連勝は4で止まり、借金は2に。ただ依然として混戦は続いている。ミスまみれだった4月から立ち直ったチームだ。この1敗を糧に、また前に進んでいく。【池本泰尚】