シンクロ9で五輪へ挑む「断られると思ってた」平金桐と星野有衣子、再び師弟タッグ

2030年フランス・アルプス五輪で初採用される、9人制のフィギュアスケート「シンクロ9」。今夏、Team FARNAのシニアチームが始動しました。指導するのはシンクロの世界選手権で2度優勝した星野有衣子。主将は、24年末にシングルを引退し、今年4月から広告代理店に勤務する平金桐が担います。別の道へ送り出した教え子を、なぜ星野は誘ったのか。年齢も仕事も異なる仲間たちと、演技を作る日々を訪ねました。(敬称略)

フィギュア




◆シンクロ9 9人が音楽に合わせて隊形を変えながら滑る、フィギュアスケートの団体種目。従来の最大16人制を基に、国際スケート連盟(ISU)が25年12月に新設を発表。今年7月に30年フランス・アルプス五輪への採用が決まった。ジャンプやスピン、選手を持ち上げるリフトも取り入れられる。採点は1演技100点満点。「難度」「同調性」「独創性」「表現力」の4項目を各100点で評価し、平均を基に得点を算出する。基本は1回戦、準決勝、決勝の勝ち抜き方式。演技時間は1回戦と決勝が最長3分30秒、準決勝は同2分40秒で、それぞれ異なる演目を用意する。従来のシンクロはカナダ、フィンランド、米国などが強豪。今季から国際大会が始まり、初戦は11月7、8日の米アーバイン大会となる。


笑顔で写真に納まるTEAM FARNAのメンバー

笑顔で写真に納まるTEAM FARNAのメンバー


七夕の夜 「タイミングあってないよ!」


平日の午後8時、東京・立川のMAO RINKの裏手に、星野のよく通る声が響く。屋根付きの屋外スペースで、選手たちが音楽に合わせ、両腕を広げて足を運んでいた。

「遅くない?」「そこの動きいいよ」

メンバーも口々に声を掛け合う。貸し切りのリンクに乗れるのは、午後9時15分から。その前に、陸上で振り付けを確かめるところから練習は始まる。

30年フランス・アルプス五輪で初採用される「シンクロ9」に挑むTeam FARNAのシニアチーム。選手としてシンクロの世界選手権を2度制した星野が舵を取り、シングルの全日本選手権出場を最後に一度競技を離れた平金が主将を務める。

数カ月前まで、そこにいる誰もが、こんな未来を想像することさえできなかった。

メンバーに声をかける星野有衣子コーチ(右)

メンバーに声をかける星野有衣子コーチ(右)

メンバーに声をかける平金桐

メンバーに声をかける平金桐

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スポーツ

勝部晃多Kota Katsube

Shimane

島根県松江市生まれ。2021年4月入社。高校野球の神奈川担当などを経て、同年10月からスポーツ部に配属。バトル班として新日本プロレスやRIZINなどを担当し、故アントニオ猪木さんへの単独インタビューや武藤敬司氏の引退試合、那須川天心―武尊などを取材した。 23年2月から五輪班に移り、夏季競技はバレーボールを中心に担当。同年秋のW杯や24年夏のVNLなど。冬季競技はフィギュアスケートをメインに務め、全日本選手権は2年連続で取材中。X(旧ツイッター)のアカウントは「@kotakatsube」。