大勝負の最終コーナーへ「主力チャージ」や!! 阪神和田豊監督(52)が後半戦に向けて、8月は主力を温存させながら戦うプランを温める。16日は球宴に備えて伊丹空港から東京入り。つかの間の休日だが視線は20日に再開するリーグ戦に向く。馬群のまま後半戦へ。例年以上の酷暑が予想され、いかに夏バテを防ぐかが課題になる。

 ジョッキー和田が「そういう戦い方もある」と認めたのが、連戦の主力に適度な休養を与えながら戦うプランだった。手綱を緩めるところは緩め、締めるところは締める。鉄人鳥谷のほか、4番ゴメスが全試合出場。とりわけ、38歳の福留の起用法が焦点だろう。前半戦も足腰に負担がかかる人工芝でプレーが続くと休養日を設け、試合終盤に代打で登場するパターンもあった。84試合を消化し、福留の欠場はわずか2戦。打線のキーマンだけに、故障は避けなければいけない。

 すべては9月に勝負をかけるためだ。指揮官も先を見据えて言う。「誰というわけではないけど…。シーズンは思い通りにいかないもの。一昨年、昨年と勝負どころで勝てなかったわけだからね」。近年は8月末から9月にかけてスタミナ切れを起こして失速する。昨季は9月に12勝13敗だったが、13年は6勝16敗2分けの惨状。対照的にリーグ3連覇中の巨人は昨季、月間16勝8敗と強さを誇り、13年も10勝10敗2分けだった。9月の戦いは優勝に直結する。

 今季は、史上まれに見る混セだ。鮮やかなラストスパートで駆け抜けるためにも、和田阪神が絶妙な手綱さばきでペース配分する。