巨人杉内俊哉投手(34)が23日、出場選手登録を抹消された。12年に巨人移籍後、先発の軸としてフル回転してきた左腕の離脱だけに、復帰までは慎重に進めていくことになりそうで、状況次第で長期離脱の可能性もある。代わりに2軍調整中の内海哲也投手(33)が先発陣に加わり、28日からのDeNA3連戦(松山、京セラドーム大阪)で先発する見込み。杉内離脱によるチームの危機を、復活を期すエースが救う。

 史上まれにみる混セの真っただ中で、巨人の先発ローテの軸が離脱した。抹消された杉内は休養日のため姿を見せなかったが、原辰徳監督(57)は広島での練習前、「再調整ということでいいんじゃないですか。コンディションが悪いということです」と説明。最短10日間での復帰については「そこはもう、杉内に聞くしかない。なるべく早くいい状態で帰ってきてほしい」と話すにとどめた。

 今季の杉内は、本調子とは言えなかった。17試合に先発して6勝(6敗)。投球時の右足の踏み込みが浅く、球速は130キロ前後。慢性的な右股関節痛の悪化が原因と思われる。股関節は下半身の力を上半身に伝える、投球動作をつかさどる重要な部位だ。チームに貢献しようと調整や治療の工夫を重ねてマウンドに立ち続けてきたが、21日阪神戦(甲子園)では6回途中2失点で6敗目を喫した。

 巨人移籍後3年連続で2ケタ勝利をマークし、昨季はただ1人ローテを守り続けた。そんな杉内が故障で抹消されたのは、12年8月の左肩違和感での1度だけ。今回はこれ以上痛みを悪化させないことがチームにも最善だと判断したようだ。それだけに、復帰までは慎重に時間をかけていくとみられ、状況次第では長期に及ぶ可能性も出てくる。

 杉内離脱の一方で、エースが戻ってくることが決まった。抜けた先発枠について、原監督は「中6日で投げられる内海。結果も良かったしね」と明言した。22日のイースタン・リーグDeNA戦で8回無失点の内海を、杉内が登板予定だった28日からのDeNA3連戦で先発起用する方針だ。内海はこの日、ジャイアンツ球場での2軍練習に参加。「これまでチームに迷惑をかけた分、今度は自分がカバーする、その気持ちしかありません。一生懸命頑張ります」と話した。チームの危機を救ってみせる。