旬な男をねじ伏せ、単独首位を固める! 阪神藤浪晋太郎投手(21)が今日31日、激しく首位を争うヤクルトとの3連戦初戦(甲子園)に先発。3冠王も狙える絶好調山田との対決が注目されるなか、30日の甲子園練習で自然体を強調。今季2戦2勝のヤクルト戦。山田にも3年間の通算で17打数3安打、ゼロ被弾と抑える21歳が4連勝での今季最多貯金4、独走スタートとなる1勝にウル虎期待やで。

 うだるような蒸し暑さの中、顔色ひとつ変えない。クラブハウスに続く薄暗い通路。藤浪が「山田」というキーワードに浮足立つわけがなかった。首位キープをかけたヤクルトと真夏の決戦第1ラウンド。今、最も警戒されるスラッガー山田との対決に冷静な言葉を並べた。

 「打線の上位でキーになるところ。1番から2、3、4、5ぐらいまで、山田さんに限らず上位打線を抑えられるようにしたい」

 チームは現在3連勝。ツバメ打線とは今季2試合先発で2勝、防御率1・80と相性がいい。「(打線全体に)打つ、しっかり振ってくるイメージがある。かといって、やりにくいイメージはない。相手どうこうより、自分のピッチングですね」。チーム最多の8勝右腕らしく、強力打線にも自然体を貫く覚悟だ。

 川端、畠山、雄平…。中でも手がつけられない勢いにあるのが山田だ。本塁打王争いを独走し、打率、打点を加えた主要3冠王どころか盗塁王の有力候補にも位置する。それでも藤浪は昨季までの2年間で10打数1安打。今季も7打数2安打。まだ被弾していない。

 トリプルスリーも狙える2歳年上の若武者とは侍ジャパンや球宴で親交を深めてきた。「年が近いですし、結構話をしますよ。山田さんは履正社ですしね」。大阪高校野球界の2大巨頭といえる大阪桐蔭、履正社の出身。会えば笑顔で言葉を交わす仲だが、もちろんマウンドに立てば今回も冷静に抑え込むだけだ。

 前回24日DeNA戦は自身最多の152球を投げ、12奪三振5安打で完封勝利。「ウル虎の夏」企画でイエローユニホームを身にまとっていたこともあり、お立ち台では「ウルトラ気持ちいいです!」と叫んだ。中6日のマウンドで疲労残りも心配されるが、「全然関係ない。前回と同じぐらいの球数を投げても大丈夫な感じです」と力強く言い切った。

 今日のヤクルト戦も「ウル虎の夏」企画でイエローユニホーム。「“ダメ虎”と言われないように頑張ります」と冗談交じりにニヤリだ。4連勝、今季最多貯金4、そして単独首位を固めにかかる一戦。堂々と、普段通りの王道ピッチングを披露する。【佐井陽介】