阪神の守護神呉昇桓投手(33)が助っ人史上初となる来日初年度から2年連続30セーブを達成した。10-7と勝ち越した直後の9回のマウンドに、この日も立った。

 2死走者なしから大引、デニングに連続二塁打を浴び1点を失った。さらに危機は続いたが、代打森岡を二ゴロに封じた。6試合連続でセーブを挙げ、両リーグ最速の今季30セーブ目。「勝ったのが一番です。(30セーブは)関係ないです」。自身の大記録達成には目もくれず、チームの勝利を喜んだ。

 石直球復活のカギをつかむため、38歳福原の直球を参考にしたこともあった。「最近、ホームランばかり打たれるからね」。波に乗りきれない守護神は解決策を模索していた。倉敷で行われた7月7日中日戦の試合前練習で、先輩の球を捕手として受けていた。姿勢を低くして見た球の回転。グラブから伝わってくる球威。「福原さんの投げるストレートは回転がいい。受けさせてもらってあらためて思った」。打者を抑え込む直球を肌で感じた。

 復調モードだったが、5試合ぶりの失点だった。「打たれているのは失投なので。次から失投を気をつけていきたい」と反省を忘れない。勝利を締めるのは呉昇桓。Vへ右腕を降り続ける。【宮崎えり子】

 ▼呉昇桓が外国人投手としてプロ野球史上初めて、来日1年目から2年連続で30セーブ以上を達成した。2年連続30セーブ以上を挙げた外国人投手は過去3人で、ペドラザ(00年35セーブ、01年34セーブ=ダイエー)、クルーン(07年31セーブ=横浜、08年41セーブ=巨人)、林昌勇(10年35セーブ、11年32セーブ=ヤクルト)だが、いずれも2年目以降での達成だった。なお、連続シーズン30セーブ以上の最長は、岩瀬(中日)の9年(05~13年)。