中日山井大介投手(37)は意地を見せられなかった。1-1の5回のピンチを抑えきれなかった。「投手にヒットを打たれ(エルナンデスの)エラーもカバーできず、チームにもエルナンデスにも申し訳ないです」と肩を落とした。

 前回28日の阪神戦で3回6失点。谷繁兼任監督の3018試合出場のプロ野球記録達成の日に乱調。2軍での再調整も検討されたが、またチャンスは与えられた。友利投手コーチは「せっぱ詰まった中でアグレッシブにいっていた。最後は悪いパターンが出た」と一定の評価をした。

 これでついに両リーグ唯一の10敗(3勝)。試合後、処遇は保留された。今日5日に復帰登板を果たす吉見ら、他の投手との兼ね合いになるようだ。開幕投手を託されながら自らの手で「一発快投」できないのが山井の不調ぶりを物語る。勝負の8月に入っても大野、若松以外の先発陣が固まっていない。

 ただ山井ばかりを責められない。指揮官も敗因の1つに挙げた痛恨のプレーは5回。無死一塁で乙坂の二ゴロは併殺コース。二塁ベース手前でさばいたエルナンデスが反転しながらベースカバーの遠藤にトス。遠藤は顔付近のボールに反応できず、後逸した。記録は助っ人の失策だが…。

 「自分は普通のプレーをしただけ。普通にボールを渡しただけだよ」。ここから勝ち越しの3点を与えた。また7回無死一、二塁では大島が送りバントを失敗。一飛で二塁走者赤坂も飛び出すミスの連鎖だった。

 谷繁兼任監督がうめく。「打席に立ったら我々が助けられるもんじゃない。そこは選手が何とか乗り越えないと」。こんな試合を繰り返していたら上位浮上の目も見えてこない。【柏原誠】