阪神鳥谷敬内野手(34)も長いトンネルを抜けた。6回1死、左腕飯田の内角141キロ直球をセンター前にはじき返す。17打席ぶりの安打で盛り返すと、6点リードの7回2死満塁で永川から中前2点打。これが35打席ぶりの適時打だった。「ピッチャーからすればフォアボールを出せない場面。積極的に行きました」。2ボール1ストライクからの外角142キロ直球を逆らわずにミートした。

 遊撃守備でも魅せた。4回、先頭2番丸の二遊間ゴロに目いっぱい左腕を伸ばし、無駄のない1回転から一塁へストライク送球。華麗に1アウトを奪い、先発能見を盛り立てた。9回の最終打席もアウトになりはしたが、左翼へライナーを飛ばした。ここから一気に上昇気流に乗りたいところだ。走攻守で虎の軸となるキャプテン。勝負の夏場、存在感が際立つ季節がやってくる。