驚異の放物線で、打撃戦のフィナーレを飾った。日本ハム大谷翔平投手(21)が、一振りで決めた。最大8点リードを2点差まで迫られ、迎えた9回1死。新しい持ち場の「代打の神様」として、真価を見せた。1-2からの4球目。高めのフォークに差し込まれたが、強引にフルスイングした。「詰まっていたので(スタンドに)入るか、フェンス直撃かなと思った」。半信半疑の白球は、左中間席へ吸い込まれた。乱戦にケリをつけた。

 神懸かり的な働きで、また貢献した。代打で4打席連続打点で、内訳は2本塁打にサヨナラ打1本、内野ゴロでの得点演出。継投策などで猛省した栗山監督が「(大谷)翔平が良かった。大きかった」と最敬礼し、感謝する仕事だった。

 この日は母校の花巻東が、センバツVの敦賀気比を撃破。ちょうど練習中で「最後まで見ていなかったけれど、頑張ってほしい」と、後輩の奮闘も力水になった。DHを近藤が優先活用するチーム事情で、今日14日からの敵地での楽天3連戦も代打待機の見込み。ここ一番に備える。

 ▼大谷が9回に代打本塁打。代打本塁打は7日楽天戦に次いで今季2本目、通算3本目。今季のパ・リーグで複数の代打アーチは大谷だけ(セは3人)。代打では前記本塁打、8日楽天戦のサヨナラ安打から続いて、自身初の3打席連続安打(打点は4打席連続)。今季代打では12打数5安打の打率4割1分7厘。先発出場時は打率1割7分4厘だけに、代打成功率が際立つ。