アレレ? 鯉キラーが…。阪神能見篤史投手(36)が5回途中6安打3失点、3四球を与える苦しい投球で降板した。3回に出塁し、三塁へのスライディングでヒヤリとするシーンがあった。その裏のマウンドからリズムが変調。3イニング連続失点と踏ん張れなかった。今季4勝をマークする広島に屈するとは…。

 まさかの誤算だった。阪神能見がマツダスタジアムで負けた。「粘れなかった。四球も多かったし。1、2回を見てもらったら分かるように(調子は)普通だった」。だが、3回に崩れた。1死後、8番石原に先制ソロを浴び、投手ジョンソンに左中間を破られる二塁打。さらに1番丸に四球の危機は何とかしのいだ。それでも4回も走者を背負い1失点。ズルズルと失点を重ねていった。5回1死一、三塁、3番鈴木誠にチェンジアップを左前に運ばれた。3点目を失った直後に交代。前回、1イニング12失点の屈辱的敗戦を招いた巨人戦と同じ4回1/3で降板となった。

 2回まで完全に広島打線を圧倒していた。しかし、その直後の攻撃にアクシデントがあった。3回の先頭で打席に立つと失策で出塁。1死後、2番大和の右前打で一気に三塁を狙ったが、右翼からのストライク送球でタッチアウト。能見はベースの直前で滑り込んだが、不自然な格好となった。なかなか立ち上がれず、トレーナーがベンチから駆け寄った。ベースに突いた勢いでガクンと膝が折れる形になった左足を気にするしぐさを見せながらも、マウンドに立ち続けた。バスに乗り込む能見は「まあまあ、走っているからね」と意に介さなかったものの、直後のマウンドからリズムを失った。

 和田監督は「そこからちょっと。内容がよくなかったな。多少、影響があったかもしれないな。(左足を)気にはしていた。ちょっと、つりかけたと言っていた」と説明。2年ぶり2桁勝利は2度足踏み。今季5戦4勝の相手に喫した黒星の内容が気がかりだ。能見が14年10月1日から続けていたマツダスタジアムでの連勝は3でストップした。

 残り試合で最も多い広島戦には、鯉キラー能見を優先的に投げられるよう先発ローテーションを組み替えも検討していた。マジック点灯ウイーク初戦。思わぬ形でつまずいてしまった。【宮崎えり子】