打てない。巨人が11残塁の拙攻で、ヤクルトに2試合連続の無得点負けを喫した。3タテを食らって5連敗となり、勝率も5割に逆戻り。原辰徳監督(57)は「見ての通り。1本が出てこないね。本人たちは懸命にやっているけど、チームを前に進ませる1本が出ませんね」と、悔しさをにじませた。

 初もの攻略に失敗したのが、すべてだった。プロ初登板だったヤクルト先発の寺田を毎回、土俵際までは追い込んだ。1回は2死一、二塁で、5番長野が遊ゴロ。2回は2死満塁で亀井が直球を左飛。3回は2死一、三塁で村田がカーブを仕留め損ねて中飛に倒れた。「知らない投手なので、真っすぐ系に合わせていた」と村田。球筋をチェックして次こそは…と言っている間に、まんまと継投策に出られた。寺田から3回で5四死球をもらいながらも生かせず、好投を続けたポレダを援護できなかった。

 相手が初対戦だから、は言い訳にはならない。原監督は「どういう相手でも、戦っていかないと」と言った。直球は140キロ台前半ながら、後先を考えずに初回からフルスロットルで投げ込んできたルーキーに、先制攻撃をカマしてKOしてやろうという、強い気迫がもっと欲しかった。

 うかうかしている間に、眼下の敵の足音まで聞こえてきた。首位阪神が敗れたため自力V消滅は免れたが、4位広島に1・5ゲーム差まで詰め寄られた。今日28日からは、4連勝と勢いのある中日と3連戦を迎える。原監督は「今日のゲームを糧に、切り替えて、ということですね」と結んだ。残り24試合。悠長なことは言っていられない。1軍に初昇格したドラフト1位のルーキー岡本をはじめ、ムードをがらりと変えるいきの良い選手の出現が必要だ。【浜本卓也】

 ▼巨人は今季7度目の同一カード3連戦3連敗を喫し、22日広島戦から5連敗。5連敗の得点は1→1→2→0→0と打線の沈黙が目立つ。これで巨人の1試合2得点以下は今季62度目。球団のシーズン最多だった11年の64度に次ぎ、2番目に多い06年の62度に並んだ。