26日ぶりの甲子園は激戦続きの虎に優しかった。ヤクルトとの首位攻防第1ラウンド。和田阪神が会心の勝利で首位を守った。勢いが爆発したのは5点リードの8回だ。俊介が右中間を破る2点適時打を放ち、坂も中前へ適時打。一挙4点でスコアボードに刻まれた得点は「9」。8月最多の得点で完勝した。

 普段は慎重な口ぶりの和田豊監督(52)も「ロード中、こんな試合をなかなかできなかった。甲子園に帰ってきて一発目で、打つ方も守る方も、いい試合ができた。これで乗っていきたいな」と声がはずむ。広島に連敗して長期ロードを終えた。本拠での仕切り直しの一戦はパーフェクトに近い試合運びだ。4回。三塁今成が象徴的なプレーを見せた。

 1点リードで1死一塁。山田の痛烈なゴロが三塁線を襲う。その瞬間、今成が身をよじらせながらシングルハンドキャッチ。体を反転させて二塁に送球し、併殺を完成させた。指揮官が「晋太郎が抑えて点を取ったけど、地に足をつけてね。守り勝ちだな。特に今成の4回の5-4-3のダブルプレーが非常に大きかった」と絶賛すれば、藤浪も「二塁でアウトになるだけでも十分なのにゲッツーを取ってもらった。あれでノッていけた」と感謝した。

 真中ヤクルトを迎え撃つ戦いを制して、3ゲーム差に拡大。指揮官は言う。「甲子園に戻ってきて今日は本当に、何としてもいい試合をして、とりたいという気持ちがチーム全体に出ていた」。8月の月間勝ち越しも決めた。節目のゲームを勝ち、今度こそ、本当に頭1つ抜け出したい。【酒井俊作】