ギリギリの戦いが続く。DeNAが最下位の中日に辛うじて競り勝った。3回までに4点リードしながら同点にされる、快勝とは程遠い内容。中畑清監督(61)は「はっきり言って負けゲーム。こんな展開を作ってしまった。勝ちに対するこだわりだけが唯一の救い」と、眉間にしわを寄せ不満げに振り返った。

 打線の援護を受けながら、リードを守り切れずに5回5失点で降板した山口が最大の誤算だった。「(山口)俊が情けない。相手をなめているとしか見えない。怠慢プレーに近い」と厳しく指摘。1カ月の2軍再調整を経て1軍復帰後2度目の先発マウンドでも本来の投球からは程遠かった。川村投手コーチも「本人が勝てていないという負の連鎖を背負ってしまった」。4月25日以来、未勝利が続く右腕の心中を察した。

 ただ、チームが勝ったことは揺るぎない事実。守護神山崎康を含む、中継ぎ4投手の無失点リレーで勝ち越しを呼び込み最下位転落を阻止した。「中継ぎが壊れなければいいけど…。もう少し芯のある先発が出てきてほしい」と中畑監督。先発投手のゲームメークが再浮上への課題になる。【為田聡史】