CS進出枠を争う西武との直接対決。ロッテは3連戦初戦に敗れた。再び4位に後退したが、伊東勤監督(53)は「やることはやった。しょうがない」と悲愴(ひそう)感はなかった。代打、代走、守備交代。1点を巡る攻防で持てるカードを次々と切り、ベンチ入りした野手を使い切った。投手は5人をつぎ込んだ。

 惜敗だけに、投打の主力がいれば、と思いがちだ。投は、大谷智久投手(30)。右内転筋肉離れで先月31日に登録抹消された。同点の9回は守護神西野が3者凡退。だが、3投手が投げた10回に勝ち越された。絶対的なセットアッパーの離脱が浮き彫りとなった。打は、角中勝也外野手(28)。前日の死球で左手薬指と小指を骨折した。この日は、1回から10回まで全ての回で走者を出したが「1本が出なかった」と伊東監督。好打者の角中がいれば、どこかで打線がつながっていた可能性は十分ある。

 もっとも、たらればを言っても始まらない。試合前、伊東監督は「人がいなくなると全員で団結する気持ちが出る。いない人のことより、いる人たちをうまく使っていかないといけない」と宣言していた。その通りの総力戦を終え「誰が良い、悪いじゃない。これから先は全員でやるしかない」と繰り返した。束になって戦う。【古川真弥】