中日の優勝の可能性が完全消滅した。総力戦の末にヤクルトと引き分けたが、好機でミスを犯し、勝ちきれなかった。V逸は4年連続。クライマックス・シリーズ進出も絶望的になる中、課題が浮き彫りになる1試合になった。

 接戦に持ち込み、粘り勝つ。就任2年目の谷繁元信兼任監督(44)が掲げた野球はまた結果に表れなかった。若松が8回2失点と好投。リリーフ陣は9回から4イニングを5人でしのいだ。それでも勝てない。決定的な要因は攻撃陣のミスだった。

 2回無死一塁では森野の飛球に一塁走者平田が帰塁できず併殺。同点の8回無死一、二塁では亀沢、延長10回無死一塁では大島が、ともにバント失敗。堅固なヤクルト救援陣に対して貴重なチャンスをつぶした。指揮官は「ああいうミスをしていると流れは来ない。できないなら練習するしかない」とバッサリだ。

 この日はブルペンが踏ん張ったが、開幕から必勝リレーを整備しきれなかった。戦力の薄さが際立ち、投手陣のやりくりにも限界があった。借金は15。CSは絶望的で、ファンに応える手段は1つでも順位を上げること、そして来季への希望を示すこと。「まだシーズンは終わっていないので、その1試合に集中して最後まで戦う。それだけです」。監督は強い口調で会見を締めた。【柏原誠】