呉昇桓投手(33)が阪神では11年藤川以来、2人目の40セーブをマークした。3点リードの9回から登板。代打和田にヒット1本を許したが、最速150キロの真っすぐにフォークやカットボールを織り交ぜ全開投球。最後はこの日3安打の大島を左飛に斬り、ゲームを締めた。

 呉昇桓 チームが優勝争いをしているので、チームが勝つことが一番。セーブ数は自分の中で大きな意味はない。今日は晋太郎がいい投球をしてくれて、それが勝ちにつながったんだ。

 33歳の守護神は自身の数字に首を振り、謙虚に12歳下の13勝右腕をたたえた。だが藤川以来、4年ぶりの大台超えは頼もしい限り。セーブ数はそれだけチームの白星を締めくくってきた証明だ。これで来日1年目の昨季の39セーブを更新。自身が06年と11年に韓国リーグで樹立したアジア最多47セーブの更新も、残り14試合で8と夢をつないだ。

 ただ、定める照準はあくまでも日本での初優勝だ。V争いの佳境に来て、ビハインドでの登板や2戦連続の2イニング連投など、過酷さを増してきた。

 呉昇桓 常に準備しているから、全然大丈夫です。

 いよいよ18日から始まる12連戦も望むところだ。球児から背番号22を受け継いだ鉄腕が、新守護神伝説で優勝に導く。【松井清員】