藤浪で優勝! 阪神は明日18日DeNA戦(横浜)から12連戦に臨む。運命の大勝負でカギになる藤浪晋太郎投手(21)が、ヤクルト攻略ローテを託される可能性が出てきた。残り先発予定の3試合は21日ヤクルト、プロ初の中4日で26日広島戦、再び中4日で10月1日ヤクルト戦とフル回転案も浮上。3戦全勝を誓う右腕も「重圧は嫌いじゃない」と決意をみなぎらせた。

 残り14試合。明日18日からは12連戦に突入する。10年ぶりの歓喜か、あるいは涙か。大混戦のペナント争いを制すため、V戦略が新たに練られた。

 前日15日に3位巨人が敗れ、阪神とのゲーム差は1に開いた。当初、藤浪は22日巨人戦(東京ドーム)、さらに中5日で甲子園での28日巨人戦に回るG倒ローテが組まれていた。だが、16日DeNAに大勝して1ゲーム差に開いた首位ヤクルトを標的にするローテを再考。藤浪を21日ヤクルト戦に当て、失速させるプランが浮上してきた。

 日程的にも優勝争いをするヤクルト、阪神、巨人、広島の4チームの中で、ヤクルトが優位だ。藤浪は今季ヤクルト戦に5試合登板し、4勝0敗と負けなしの好相性が頼もしい。山田、畠山、川端が並ぶ強力打線でも封じ込めてきた。21日の登板後はプロ初の中4日調整で26日広島戦(マツダスタジアム)に向かう。さらに、中4日で調整すれば10月1日、ヤクルトとの今季最終戦(神宮)に臨むことも可能だ。阪神が残すヤクルト戦3試合のうち2試合、藤浪を投入できる。

 日に日にセ界情勢は動き、最後まで行方は分からない。ハーラートップタイの13勝を挙げ、チームの勝ち頭となった藤浪が、虎の命運を握っているといっても過言ではない。

 「自分が投げた試合は落としたくない。自分に勝ちがつくことより、チームに勝ちがつくように。1試合も落とすつもりはない」

 口にする1つ1つの言葉は力強かった。1つも負けられない-。その重みを背負う覚悟はすでにできている。エースとなるべき男の役割だ。

 前日15日中日戦の試合後は「何としても優勝したい」とファンが待ち望む2文字を口にした。一夜明けて、軽めの練習メニューをこなし引き揚げた藤浪は、最後の勝負12連戦に目を向けた。

 「プレッシャーはもちろんあります。1戦も落とせないという気持ちでやっている。プレッシャーは嫌いじゃないですよ。プレッシャーがあった方が、気持ちの入った投球ができるので」。21歳の心意気が頼もしい。