日本ハム斎藤佑樹投手(27)が24日、狙う下克上で温めている「秘策」のジョーカーに指名された。2位で進出を決めたクライマックスシリーズ(CS)の第1ステージ(S)を突破した場合、ソフトバンクとのファイナルSで先発に抜てきされる可能性が浮上。栗山監督は同Sの第1、2戦で先発投手を2人準備する「ダブル先発」の構想を描いており、有力候補の1人。大一番に強い佑ちゃんの特性を生かし、日本シリーズへ逆転進出をもくろむ。

 青写真を披露した。栗山監督はこの日、今日25日からの敵地オリックス戦に備え大阪入り。新千歳空港の搭乗ロビーで、斎藤へ視線を向けながら明かした。「斎藤が大舞台で力を発揮できることは間違いない」。有効活用するための具体策も、練っていた。最大3戦の第1Sの先発は第1戦登板が決定的な大谷のほか、吉川とメンドーサの編成が濃厚。勝ち抜いた場合のファイナルSで「そこは『ダブル先発』みたいな感じで何試合か組んでもいいのかな、と考えている」。

 第1Sで3戦すると信頼度が高い3投手を、ファイナルSへ中5日以上の登板間隔で投入できるのは第3戦以降。第1、2戦をしのぐプランが「ダブル先発」になる。8勝の有原のほか、斎藤、中村、浦野ら実力伯仲の先発を1試合で2人ずつ準備。ソフトバンクがアドバンテージの1勝を持つだけにファイナルSの序盤2試合を落とせば、致命傷になる。逆に奪えれば有利となるだけに、必勝を期すための戦略だ。

 カギを握る斎藤は今日のオリックス戦に先発。「結果も大事。いい投球ができれば、次につながる」と意識高く、誓った。チームにも希望の灯をともす大役ゲットへ、全身全霊でアピールする。【高山通史】