阪神南信男球団社長(60)が26日、広島入りし、和田豊監督(53)と直接会談した。球団トップはあくまで順位確定まで見守る方針だが、優勝争いからも完全に脱落し、今季限りでの退任は確実な状況だ。全日程終了後に退任が正式決定されれば、速やかに新体制づくりに着手する見通しで、早ければCS前にも新監督が一本化される可能性があることが分かった。

 球団、現場の両トップが直接会談を行った。この日、広島入りした南球団社長はマツダスタジアムでの広島戦を見届けると、チーム宿舎に戻った。その後、タクシーで外出した。和田監督、平田ヘッドコーチと会談するためだった。

 「激励だよ。現場は必死で最後まで戦っているんだから」

 南球団社長は広島入りへ向けて、こう話し、あくまで順位決定まで見守る方針を示していた。ただ、この日の敗戦で残り5試合で首位とは4・5ゲーム差のまま、2位巨人とは3・5ゲーム差に後退。続投の条件だった「優勝争い」からは完全に脱落した。CSを本拠地で開催できる2位浮上も厳しい。指揮官の退任は確実な状況だ。

 いずれにしても、全日程終了後に退任が正式決定されれば、水面下では速やかに新体制づくりに着手することが判明した。球団幹部は新監督選定となった場合については「なるべく早い方がいい」と語っており、10月10日のCS開幕前にも新監督が一本化される可能性もあることが分かった。チームは現状3位のままであれば、CSファーストステージに進出する。その場合は現体制への配慮はしながらも、並行して次の政権への準備が進められることになる。

 次期監督の有力候補にはOBの金本知憲氏、岡田彰布氏が挙げられており、2人を軸に検討されることになりそうだ。外国人選手とベテラン頼みのチームを抜本的に改革していくために、新体制発足は少しでも早い方がいいという。

 南球団社長の激励を受けた指揮官は希望を捨てずに奇跡を信じて、最後まで戦い抜くだろう。選手たちも目の前の1戦1戦を全力でプレーしている。その一方で、失速の歴史を繰り返さないための改革の時が迫っている。