23日に脳出血のため急逝した阪神中村勝広GM(享年66)の葬儀・告別式が29日、千葉市内でしめやかに営まれた。ひつぎに阪神の球団旗、ユニホームやオリックスの帽子が掛けられ、在りし日々をしのぶ青春時代の写真などが飾られ、参列した約250人が悲しみに暮れた。

 都内のホテルで亡くなっているのを発見したのは阪神南信男球団社長(60)だった。かつて監督と監督付広報の間柄で、ともに戦った盟友。弔辞を読み「連敗が続いてマスコミからよくたたかれました。私が新聞を見てカリカリしていると『彼らも仕事でやっているんや。この世界、負ければ批判されるのは仕方ない。俺は平気だから気にするな』となだめてくれた。相手の立場になって人の気持ちが分かる、あなたは本当に優しい、懐の深い人でした」と語りかけた。

 チームの編成責任者が亡くなり、同社長は「いま、あなたがいなくなってGMの存在が阪神にとって、私にとっていかに大きかったか」と嘆いた。喪主で長男の大輔さんは「父の無念さは、計り知れない思いでいます。命を懸け、戦ってきた父を持ち、誇りに思う」と話した。野球を愛し、誰よりもタイガースを愛した中村さんが天国に旅立った。

 吉田義男氏コメント 私が昭和50年に監督になり、1番二塁で大活躍してくれた。66歳ですから。GMとしての仕事はこれからだと思っていた。呉昇桓、ゴメスを入れて、いい方向に行っていた。残念です…。

 阪神掛布DCコメント GMには若手育成ということで去年からいろいろ気にかけてくれていた。1人でも多く、来年以降、若手を1軍に上げて活躍してもらうのが天国にいるGMに対する恩返しになる。

 岡田彰布氏コメント 早いもんな。急で、何とも言えんな。言いようがないわ。

 ◆おもな参列者 吉田義男、中西太、掛布雅之、岡田彰布、鈴木孝政、南信男阪神球団社長、木戸克彦阪神GM補佐、嶌村聡阪神GM補佐。