阪神は15日、1軍の中西清起投手コーチ(53)、山口高志投手コーチ(65)、関川浩一打撃コーチ(46)、山脇光治外野守備走塁コーチ(53)、風岡尚幸守備走塁コーチ(47)と来季コーチ契約を結ばないことを発表した。1軍コーチ11人のうち5人が退任し、他のコーチの去就も近日中に決まる見通し。10年連続のV逸を受け、球団主導で抜本的な構造改革を進める。

 虎が大改革への1歩目を踏み出した。球団は中西、山口両投手コーチ、関川打撃コーチ、山脇外野守備走塁コーチ、風岡守備走塁コーチと来季のコーチ契約を結ばないことを発表した。

 この日は兵庫県内のホテルで山口コーチ、山脇コーチが今季限りでの契約を通達された。球団側と約10分会談した山口コーチは、すっきりした表情で「終わります」と明かした。2軍投手コーチ時代は伸び悩む藤川に手を差し伸べ、絶対的守護神への礎を築いた。スカウトを経て08年オフに1軍コーチ就任後は、強固なブルペンを守り続けた。

 「コーチはいい選手と巡り会えるか、やからな」。藤川など磨けば光る原石との出会いに感謝しながら、実力を発揮させられなかった選手たちの顔も脳裏をよぎる。「やっぱり、達成感や満足感はないな」と寂しそうに笑った。今後については「まだ何も考えていません」と話すにとどめた。

 山脇コーチはスコアラー、2軍コーチの経験を生かし、緻密な情報収集に定評があった。「優勝に貢献できなくて申し訳ない。残念です。ただ江越の走塁や(伊藤)隼太の守備など、良くなってきている面もあるので今後に期待したい」。若虎のさらなる奮起を信じ、エールを送った。

 中西投手コーチは04年から2軍時代も含めて12年間、投手陣を指導。05年にはウィリアムス、藤川、久保田の最強救援トリオ「JFK」を構築し、リーグ優勝に貢献した。12年ドラフト1位藤浪にも英才教育を施し、3年間で大黒柱への成長を促した。

 すでに打撃不振の責任を取って退団を申し出ていた関川コーチ、退団の意思を固めていた風岡コーチもユニホームを脱ぐ。1軍コーチ陣11人のうち5人の退任が決まった。高野球団本部長は「退任されるコーチの皆さんはタイガースのために大変尽力していただきましたが、チーム成績により決めた考えです」と説明。他のコーチ陣も近日中に去就が決まる見通しだ。