DeNAの新監督に球団OBのアレックス・ラミレス氏(41)が就任することが18日、分かった。今日19日にも発表される。12年の球団創設から4年間を指揮した中畑清監督(61)の退任を受け、シーズン終了後から後任候補の人選に着手。この日までにラミレス氏との交渉がまとまり、正式決定の運びになった。現役時代に外国人選手として初の国内通算2000安打を達成し、リーグ優勝3回、日本一2回を経験している“優勝請負人”にタクトを託す。

 水面下で続けてきた極秘交渉が決着した。DeNAの2代目監督は、球団OBのラミレス氏に決まった。早期から続投を要請していた中畑監督が、シーズン最終戦直前に辞任を表明。球団は急きょ、新監督人事に着手した。10人前後の候補者から球団が求める監督像と一致したラミレス氏に一本化。同氏も、かねてNPB球団での監督就任を熱望しており、順調な交渉を経て合意に至った。今日にも発表され、今週中にも就任会見が行われる。

 球団が新監督を人選する上で最も重視したのは、ここまでの4年間の継承だった。池田球団社長は「もう1回、最初からというのは考えていない。今までのチーム作りを継承し、上積みしながら勝負できる人。そこを大事にしたい」と話していた。球団創設時の12年から2年間、中畑体制下で主砲を務めたラミレス氏は、主力に成長した筒香、梶谷らとも同僚としてプレー。選手の特徴、課題を把握しており、中畑監督からスムーズにシフトする上でも適任といえる。

 今季は本拠地での観客数が、実数発表となった05年以降初の180万人超えを記録。人気面は目覚ましい成果を挙げる中でファンの期待は「勝てるチームの形成」に集約される。ラミレス氏は監督経験こそないが、DeNA退団後、BCリーグ群馬で選手兼任打撃コーチ、今季途中からはオリックスで巡回アドバイザーを歴任。指導者としての経験も積んできた。池田球団社長は新体制について「監督単体としてではなく、コーチ陣を含め、組織として勝てるチームを目指している」との方針を示してきた。

 GM制度の利点を生かし、新監督をサポートする組閣も急ピッチで進めている。今季に続き、進藤達哉ヘッドコーチ(45)に参謀役を託すことが濃厚。外部からは球団OBでもあるロッテ青山道雄2軍監督(55)、今季限りで退団する中日上田佳範外野守備走塁コーチ(41)らをリストアップしているとみられる。地元ファンから愛され、地域貢献の必要性を掲げてきたDeNAに「ハマのラミちゃん」が新監督として帰ってくる。

 ◆アレックス・ラミレス 1974年10月3日、ベネズエラ生まれ。98年にインディアンスで大リーグデビュー。01年ヤクルト入団。08年に巨人、12年にDeNAへ移籍。「ラミちゃん」の愛称で親しまれ、「アイーン」「ゲッツ」など芸人のパフォーマンスでも人気を集めた。首位打者1度、本塁打王2度、打点王4度、最多安打3度、ベストナイン4度。08、09年にリーグMVP。07年に外国人として、また右打者で史上初のシーズン200安打。13年に外国人初の通算2000安打。14年はルートインBCリーグ群馬のコーチ兼選手になり、同年10月に引退してシニアディレクターに就任。今年7~9月には3カ月契約でオリックスの巡回アドバイザーを務めた。180センチ、100キロ。右投げ右打ち。