阪神マウロ・ゴメス内野手(31)の残留が決定的になったことが20日、分かった。昨季から4番を務めたゴメスは今季、相手の徹底した攻めに苦しみ打率2割7分1厘、17本塁打、72打点という成績に終わった。来季残留が微妙な状況となっていたが、金本新監督の意向を含めながら球団が最終検討した結果、来季契約を結ぶ方針となった。

 来季去就が微妙だった主砲ゴメスが残留する見通しとなった。関係者によれば、金本新監督の意向も含めて球団側が再検討した結果、契約を更新することが決定的となった。

 不動の4番となりうる右の大砲として期待され、ゴメスは昨季入団した。パワーと勝負強い打撃で1年目から打率2割8分3厘、26本塁打、109打点という成績を残して打点王を獲得。リーグ2位からCSを突破しての日本シリーズ進出に貢献した。

 だが、2年目となった今季は、研究し尽くした相手による徹底した攻めに苦しみ、厳しい結果に終わった。昨年オフに2年目が球団オプション(選択権)となる契約を結んでおり、本来なら不動の4番として来季も契約を更新する方向だった。ただ、今季は同じパターンで凡退する打席が多く、対応力が疑問視されていた。シーズン終了後も去就は保留のままだったが、金本監督が正式決定した後、新監督の意向を含めて球団側が再度、検討した。

 外国人選手の去就は右の大黒柱メッセンジャーが残留方針、守護神の呉昇桓は交渉中で、野手ではマートンの退団が確実となっている。ここ2年、チームを支えてきたGM砲が1度にチームを去れば、攻撃力低下のリスクがあったが、ドミニカ共和国の大砲が残留方針となったことで、金本阪神の打線に日本で実績のある確固たる芯ができることになった。

 また、関係者は今季、ゴメスが苦しんだ他球団の攻め方に関しては「本人の意識や努力はもちろんだが、それに周りの助けがあれば克服できるはず」と話しており、新体制スタッフが再生をサポートすることで豪打が復活する可能性は十分にあるとみている。最終的な契約交渉はこれからで予断は許さないが、金本阪神を支える打線の大きな柱は来季もゴメスに託される方向だ。

 ◆マウロ・ゴメス 1984年9月7日、ドミニカ共和国出身。ペドロ・ホセ高からレンジャーズ-ブレーブス-レッドソックス-ナショナルズ3Aを経て、14年に阪神入り。1年目は4番に定着し26本塁打、109打点。打点王を獲得し、ベストナイン一塁手に選ばれた。今季は17本塁打。終盤一時期4番から外れたが全試合に出場した。188センチ、104キロ。右投げ右打ち。