金本阪神に入閣候補として浮上していたOB矢野燿大氏(46)は、1軍の作戦兼バッテリーコーチ就任が決定的となっていることが21日、分かった。矢野氏は、猛虎の頭脳として金本監督とともに03年、05年の優勝に貢献してきた。卓越した野球観と投手の良さを引き出すリードで不動の柱として活躍した、かつての名捕手が来季からは指導者経験のない金本監督の“頭脳”として機能することを期待される。

 矢野氏の1軍入閣にともない、山田勝彦バッテリーコーチ(46)が来季、2軍バッテリーコーチに配置転換となることが濃厚となった。今季までは正捕手不在といわれた和田阪神の1軍バッテリーコーチとして梅野らの育成を担ってきた。金本監督の下で新体制となる来季も正捕手不在という課題は変わっておらず、若手育成への手腕が期待される。

 金本新体制を支える組閣を急ピッチで進めている阪神は、すでに高代ヘッドコーチ、平田チーフ兼守備走塁コーチ、掛布2軍監督らが決定。さらにOBで元コーチの片岡篤史氏(46)と久慈照嘉氏(46)、さらに矢野氏と同じくVメンバーの下柳剛氏(47)らが候補として浮上している。

 ◆矢野燿大(やの・あきひろ)1968年(昭43)12月6日、大阪府生まれ。桜宮-東北福祉大を経て、90年ドラフト2位で中日入団。97年オフ、トレードで阪神に移籍し、正捕手として活躍。03年の3割2分8厘はセ・リーグ3位。10年に登録名を輝弘から燿大に変更し、同年引退。通算1669試合、1347安打、570打点、112本塁打、2割7分4厘、現役時代は181センチ、81キロ。右投げ右打ち。