「走り込みは走攻守、全てのプレーに通ず」。巨人高橋由伸新監督(40)が30日、走り込みの重要性を説いた。川崎市のジャイアンツ球場で行われた秋季練習。第2クールの3日目は、ランニングメニューの強度を上げた。高橋監督は「ゲームがある時は、よほどじゃないとできないけれど、今は十分に強化に時間が使える時なんでね」と説明。外野の芝生上で必死の形相で走り込む選手たちに、熱視線を送った。

 11月7日に始まる宮崎秋季キャンプでも、走り込みの継続を宣言した。「当然、(キャンプ地の)宮崎に行っても、走り込みますよ」。この日は1本ごとのインターバルを15秒に設定した上で、80メートル×10本を計3セット。計2・4キロのインターバル走で下半身を強化した。終了後、倒れ込む選手の姿が、その濃密度を物語った。「プレミア12」への出場を控える坂本、中堅組の片岡、長野らには別のランニングメニューを課したが、質、量ともに濃かった。

 狙いは明確だった。高橋監督は「走ることで、打つことにも守ることにも生きてくる。(野球において)基本中の基本」と話した。今年1月の沖縄自主トレでは、両翼ポールを往復するポール間走を連日実施。軸で回転する打撃フォームはもちろん、走攻守3拍子そろったプレーを支えたのは、走り込みで培った強靱(きょうじん)な下半身だった。来季、「実りの秋」とするべく、この秋に強固な土台を作り上げる。【久保賢吾】