日本ハムのドラフト8位、大阪偕星学園・姫野優也外野手(18)が、チーム不動の中堅手に挑戦状をたたきつけた。30日、大阪市内の同校で指名あいさつを受けた。額の汗をハンカチで拭いながら強く誓った。「陽岱鋼選手のように打って、走って、守れる選手になりたい」。大先輩を目標に、プロ入りへ心躍らせた。

 自慢のボディが、能力の高さを物語る。「ギャクサンと言われています」。身長180センチに付いた筋肉は逆三角形を作り、太ももの筋肉は日々、増強中。遠投130メートル、50メートル6秒2の高い身体能力だ。「筋トレは特にしていないです。今年の春からユニホームがピチピチになってきた」。体格の良さにほれ込んだ芝草スカウトは「スターになれる太もも」と絶賛した。

 平凡ではなかった人生経験が、強みの1つだ。環境になじめなかったことなどから名門・天理(奈良)を1年春に退学。工事現場で働きフリーターを経験した。その年の秋、大阪偕星学園に編入。「ヤンチャは中学までです」。気持ち新たに始めた野球で快進撃の立役者になった。今夏の大阪大会、大阪桐蔭戦では本塁打を放つなど、同校初の甲子園出場に貢献した。

 「入ったからには(ドラフトの)順位関係なく、野球一筋で頑張りたい」。豊かな才能を、プロで開花させる日を見据えていた。【田中彩友美】