“野球漬け”の毎日で個々のレベルアップを図る。巨人が、7日から始まる宮崎秋季キャンプで新たな規律を設けることが3日、選手に通達された。高橋由伸監督(40)は「(キャンプは)野球をやりに、練習をやりにいくことがメーン。一生懸命、練習するというのが目的ですから」と野球人としての本分を胸に刻み、キャンプに臨むことを求めた。

 明らかとなった規律の1つ目は、門限を従来より最大で1時間早めるルール。練習日は午後10時で休前日、休日と3パターン設定された。2つ目はキャンプ中のゴルフを禁止する。球団側は賭博問題を重く受け止め、規律を徹底させた上で再スタートを切る方針を決定。球団納会、納会ゴルフも自粛する。高橋監督は「会社が判断したのであれば、受け入れるべきだと思います」と受け止めた。

 規律によって、縛られるイメージにも映るが、それは違った。新選手会長の長野は「監督が言われている通り、野球をやりにいくわけですから。しっかりと鍛え直してきます」と話した。亀井も「決められたルールで、しっかりやるだけですから」と同調。4連覇を逃した事実を直視し、この秋に何をすべきかを選手個々が理解する。

 ゴルフの禁止によって、休日の過ごし方にもいつもと変化が生まれる。高橋監督は「それぞれ趣味も違うだろうし、好きなことをやればいいんだよ」と話した上で「次の日に万全の状態で来られるようにね」と注文をつけた。規律は大事だが、最大の目的は技術の向上。グラウンドでの鍛錬に集中する。【久保賢吾】

 ◆巨人と規律 球団創立者で「プロ野球の父」と呼ばれた故正力松太郎氏の遺訓とされる「巨人軍は常に紳士たれ」に従い、伝統的に規律に厳しい。61年に就任した川上監督は、シーズン中に罰金付きの厳しい門限など管理野球を徹底。アロハシャツなどだった移動時の服装も、スーツにネクタイ着用とした。長嶋監督率いる96年春季キャンプでは禁止4項目として「ゴルフ、車の運転、沖での釣り、外来者の出入り」をわざわざ壁に掲示。00年春季キャンプでは「緊張感を弛緩(しかん)させる取材はお断り」と、ワイドショーやお笑いタレントの取材を禁止。同年秋には茶髪禁止令も出た。ヒゲはご法度で、シピン、小笠原、ラミレスらは巨人移籍時にヒゲをそった。