阪神は退団が確実となっている左翼マット・マートン外野手(34)の穴を若手積極起用で埋める方針であることが3日、分かった。関係者によれば、6年間、在籍した安打製造機が抜けることへの対策としてFA権を取得した中日藤井らの調査を行ってきたが、この日までに、仮に藤井がFA権を行使したとしても獲得に乗り出さない方針を固めたという。

 くしくも、この日、紅白戦が行われる前に金本監督が江越、伊藤隼、緒方、中谷ら外野陣を集めてハッパをかける場面があった。

 「できれば若い選手を使っていきたいからと。チャンスはあるぞということ」

 指揮官は試合後、この場面について、こう説明した。初実戦を前に選手たちを鼓舞していたようだ。

 これまで助っ人の抜けた穴は新助っ人か、もしくは他球団から即戦力を補強して埋めてきたイメージが強いが、あえて若虎育成という困難であり、球団の将来を見据えた上では不可欠な道を選ぶという。

 現在、安芸キャンプでアピールしている江越、中谷らに加え、抜群の身体能力を期待される横田らがいる。さらに上本も外野への挑戦を開始している。来季へ向けて競争が活性化されるポジションが増えそうだ。金本新監督就任で改革路線へとかじを切った猛虎だが、チーム編成にも改革の色がうかがえる。