若虎バトル、バッチバチやで。5日、阪神安芸キャンプ5日目のブルペンが異様な空気に包まれた。投球練習が始まって1時間近く経過してもキャッチャーの捕球音が鳴りやまない。マウンドに立ってたのは松田遼馬投手(21)と歳内宏明投手(22)の2人。ともに高卒4年目の同学年右腕だ。

 雄たけびを上げた松田がストレートを投げ込めば、それを横目で見た歳内が力いっぱいの直球を外角低めに投げ込む。松田はここまで投手陣でキャンプ最多となる156球。歳内は120球。香田、金村両投手コーチが見守る中、オール直球の“タイマン勝負”は、まさに意地の張り合いだった。

 松田 どんどん(気持ちが)乗ってきて終われなくなった。同級生というのもあるし、負けられない。そういう雰囲気になった。

 歳内 楽しかった。いい雰囲気で出来ました。体も動いた。同級生というのもあります。

 香田コーチは「俺の方がいいボールを投げてやろうと、自然とああいう雰囲気になったね」とバトルに目を細めた。今季を振り返れば、ブルペンは安藤、福原のベテランに頼りっきり。若手の突き上げが足りないのは明らかだ。

 金本新監督も2日に自らブルペンの打席に立ち、期待の歳内に「(両ベテランに)引退祝いを持って行けるように、頑張れよ」とハッパを掛けた。先発に挑戦している松田も、ブルペンの戦力としてもアピールをしたいところ。同学年の2人の競争が過熱すればするほど、戦力に厚みが増す。【桝井聡】

 ◆他の93年世代 投手では、ソフトバンク武田が今季13勝を挙げ、優勝に貢献。日本ハム上沢は5勝。野手ではDeNAの捕手高城が64試合に出場。内野手では中日・高橋周平、外野手ではDeNA桑原将志らがいる。阪神では横山、守屋、西田も同学年。