ソフトバンク工藤公康監督(52)が10日、直筆の「通信簿」を全選手に渡すプランを明かした。シーズン中から各選手の状態を自らファイルに記してきた。秋季キャンプでも、まとめの作業に入っている。「この1年、俺なりに感じたことを書いておこうと思ってね。それを選手に渡せるように。もっとこういうふうになった方がいいんじゃないかと」。キャンプ終了後をメドに配布する考えを持っている。

 中身については、指揮官の分析だけではない。担当コーチやコンディショニングコーチ、トレーナーの意見も集約する。より多くの目を通して、選手の向上に役立つ内容になりそうだ。手渡す相手も若手に限ったものではない。ベテランから育成選手まで、例外はないという。この通信簿は来年の春季キャンプに向けての「宿題」の意味合いも持つ。「オフに(練習を)やってきたかは2月1日を見れば分かる」。技術面に加え、精神的な部分でも助言する可能性がある。

 工藤監督は「筆まめ」である。今春キャンプでも自らのブロマイドに直筆サインを入れて、ファンに配った。プラス思考の指揮官はあくまで前向きに筆を走らせる。「コーチや俺が信じないと、身もふたもないだろ?」。現在は戦力を底上げするために、ハードなトレーニングを若手選手に課している。すべての選手の向上を願ってやまない。文面に自らの思いを乗せ、来春キャンプでの再会を待つ。【田口真一郎】