プロ野球界の発展に大きく貢献した人物に贈られる「正力松太郎賞」の受賞者が19日発表され、就任1年目で日本一連覇を達成したソフトバンク工藤公康監督(52)が選ばれた。西武現役時代の87年以来、2度目の受賞。キャンプ地の宮崎で会見し「名誉ある賞をいただけて本当にうれしい。選手の時は実績や功績でいただけるが、日本一になったのは選手が頑張ってくれたおかげ。言い方悪いけど、何したかな? 選手に感謝したい」と、真っ先に感謝を口にした。
選手、監督でともに受賞したのは、王貞治(ソフトバンク球団会長)、秋山幸二(ソフトバンク前監督)に次いで3人目で、投手出身者では初。「その2人の中に入ることができてうれしく思う」と目尻を下げ「まだ未熟者なので、また(賞を)いただけるよう、日々学んでいかないといけない」と謙虚に語った。
地道な作業を積み重ねた1年だった。頻繁に2軍の練習にも顔を出し、選手と対話を重ね、生きた情報収集に努めた。選手のコンディショニングや好不調を把握した結果が、90勝での独走リーグVだった。
「僕は投手(出身)だから野手の感覚は持っていない。ミスもあるし、選手交代も配置もうまくいかない。やらなきゃいけないことはたくさんある」と、向上心は現役時代と変わらない。日本シリーズを制した2日後に宮崎入りし、来季に備えている。受賞の喜びをエネルギーに変え、さらに強いチームへと作り上げていく。【福岡吉央】
◆正力松太郎賞 日本のプロ野球の発展に大きな功績を残した故正力松太郎氏を記念し、1977年に制定された。プロ野球界に貢献した監督、コーチ、選手、審判員を対象に、選考委員会が選出する。受賞者は日本一に輝いた監督が多く、最多は第1回を含めて4度選ばれた王貞治氏。04年に米大リーグのシーズン最多安打記録を更新したイチロー、13年にレギュラーシーズン24勝無敗で楽天の初優勝に貢献した田中将大には特別賞が贈られた。



