中日谷繁元信監督(44)がサプライズ連発だ。26日、名古屋市内のホテルで行われた球団納会で突然、平田良介外野手(27)のキャプテン就任と来季のキャッチフレーズ「竜魂燃勝」(りゅうこんねんしょう)の2つを発表した。力を込めたのはキャプテン制度の復活。監督に促されて壇上で“所信表明”した平田は自ら信念を貫いたキャプテンシーを約束し、優勝を力強く目標に掲げた。

 壇上でのあいさつが終わりに近づいたころ、谷繁監督が前ぶれなく「ここで皆さんに発表したいことがあります」と切り出した。

 広い会場が静まり返る。注目の中、言葉を続けた。「先日、小笠原2軍監督と相談してキャプテンを置こうということになった。話した結果、平田良介をキャプテンに選びました。みなさん協力してください」。指揮官は平田を壇上に呼び、新主将による所信表明スピーチを促した。

 平田 ある方にキャプテンとして何が正解かと聞きました。その方には『正解はない。思うようにやればいい』と教えていただきました。僕は自分の信じる道を進みます。谷繁監督を胴上げする思いを胸に進んでいきます。

 キャプテン制度は星野監督のもと94年に就任した仁村徹以来。谷繁監督は「何かを変えていこうという中で、引っ張っていく存在を作りたかった。(平田は)僕も小笠原も思っていた。もっと引っ張って、自分を高めてもらいたい」と期待を込めた。数日前に決めて、前日25日のNPBアワーズの席で本人に直接伝えた。平田は同じく出席していた小笠原2軍監督に「キャプテンとして何が正解か」と相談した。その答えが「思いのままに」だった。

 平田 主将じゃなくても自分が引っ張っていくつもりだった。任命され、より気持ちが強くなった。

 また、谷繁監督は12月発表予定のキャッチフレーズ「竜魂燃勝」も壇上で口にした。「読んで字の通り」とだけ話したが、もう1度、勝利への魂を熱く燃やそうと、あえて球団全員が集まる場で発表した。一丸野球を求める谷繁監督らしいアクションだった。【柏原誠】