レジェンドがエールを送った。今季で現役引退した山本昌広氏(50)が13日、名古屋市内のホテルでトークショーを行った。山本氏が背負った背番号「34」を受け継いだ中日ドラフト4位のJR九州・福敬登投手(23)の活躍を期待した。

 11日の入団会見で福の背番号が初披露された。山本氏は84年の中日入団時から32年間、自身の背中にあった番号を初めて客観的に見た。「球団にお返しした物なので、つけた人には頑張ってほしい。あらためて34番を見たけど、格好いいね! 自分のものではなくなったのは寂しいけれど、歴史をつくっていってほしい」。継承した27歳下の後輩を激励した。

 来年2月1日の中日キャンプ初日を評論家として視察予定。まだ福の投球はチェックしていないが「ピッチングを見るのが楽しみ」と心待ちにしている。ルーキー左腕にとって、大きな味方になりそうだ。「評論家としては平等に見ないといけないけど、こっそり応援したい」。やはり背番号34の動向は気になる様子だった。

 福も山本氏がキャンプ地を訪れる話を聞くと「僕が記者みたいになってたくさん質問したい」と目を輝かせていた。そんなオファーを伝え聞いたレジェンドも「僕の知っていることなら何でも教えたい。ぜひ聞きに来てください」と、快くOKサインを出した。通算219勝を積み上げた技術を、惜しみなく伝える姿勢。竜の背番号34の伝説は、山本氏の後押しを受け、さらに続いていくはずだ。【宮崎えり子】