中日が来秋のドラフトで、創価大・田中正義投手(3年=創価)を1位最有力候補に挙げていることが30日までに分かった。中田スカウト部長が「評価は田中がNO・1」と明かした。

 最速156キロを誇る右の剛腕。アマNO・1の評価で1位競合は必至だ。球団関係者は「12球団が同じような評価をしている。それくらいいい素材。頭1つ抜けている」と話し、近年では最も競争率が高くなる可能性すらある。それでも田中を軸にドラフト戦略を進めていく方針を固めた。

 抽選で外すリスクを想定しても、即戦力投手に二の矢、三の矢がある“豊作の年”でもある。同部長は「来年は田中以外にも、ドラフト1位クラスがそろっている。仮に田中にいってクジを外したとしても、まだいい人材を取れる可能性が残っている」と説明する。

 筆頭候補は九産大・高良(たから)一輝投手(3年=興南)だ。沖縄出身の右腕で興南から九産大へ。1年春にデビューするとキレのいい140キロ台の直球で台頭。今年まで公式戦68イニング連続無失点の記録を作った。177センチと上背はないが制球、変化球もトップレベルで完成度が高い。

 東海大の「完全男」丸山泰資投手(3年=東邦)も密着マークを続ける。150キロを誇る右の本格派で、今季は春秋のリーグ戦とも防御率0点台。春の日体大戦ではリーグ46年ぶりの完全試合も成した。愛知・常滑市出身で東邦でも活躍。中日が見逃せない逸材だ。

 年明け早々のスカウト会議で、大まかな方針を確認する。大注目の田中の動きを注視しつつ、キラ星のごとく各地に散らばる即戦力投手にも目を配っていく。

 ◆高良一輝(たから・かずき)1994年(平6)6月25日、沖縄県生まれ。興南高で1年夏からベンチ入り。3年夏は沖縄大会2回戦敗退。九産大では2年秋の九州大学野球選手権決勝で日本文理大にノーヒットノーラン。3年春のリーグ戦では1試合18奪三振も記録。最速147キロ。177センチ、77キロ。右投げ右打ち。

 ◆丸山泰資(まるやま・たいすけ)1995年(平7)2月5日、群馬県生まれ。中学時代は愛知・知多ボーイズでプレー。東邦高では3年夏の愛知大会決勝で愛工大名電に敗れ、甲子園出場経験はなし。東海大では2年春からリーグ戦に出場。家族は両親と姉1人。父親はパイロット。176センチ、75キロ。右投げ右打ち。