「ニュー島内」を見せる。楽天島内宏明外野手(25)が21日、コボスタ宮城で、今オフに行った肉体改造の成果を見せた。8割の力でもティーバッティングのインパクトは力強く、ダッシュも1歩目が鋭い。「プロに入ってからの5年間で、一番いい」と笑う。

 広島での発見が、細身の25歳を大きく変えた。昨季は25試合で打率2割3厘。巻き返しを図るべく、球団の紹介で広島のジム「トレーニングクラブアスリート」の門をたたいた。ソフトバンク柳田、阪神金本監督らを輩出した虎の穴。偶然にもDeNA梶谷らと一緒になった。視線を向けると、たくましい上腕筋が強く印象に残った。

 島内 すごい筋肉だった。あれを見て、やっぱり自分は細いなと思いました。

 限界まで追い込む厳しいメニューにも耐えられた。11月から約2カ月で、体重は78キロから85キロに増量。「全部が筋肉です。きちんと尻の筋肉を使って走れるようになった。以前は太ももの前ばかり疲れていた」と効果を実感する。

 食事も、こだわる。1日2食、時に1食と間食で済ませていた生活を改善。栄養学講座も受講し、今では1日3食が当たり前。嫌いな納豆やプロテイン、マルチビタミンも取り入れる。「筋トレをするうちに、もっとでかくなりたいと思った。軽く振って飛ばすのが理想」。体を鍛えるうちに意識も変わった。13年の日本一に貢献した男が、巻き返しに燃えている。