虎に勝機あり! 阪神鳥谷敬内野手(34)は25日夜、神戸朝日ホールで約500人を集めて開催された「鳥谷敬選手 キャンプイン直前 プレミアム・トーク」(日刊スポーツ主催)に参加した。16年セ・リーグ展望の話題に移ると、6チーム横並びに近い状態と戦力分析。チーム全体で金本監督ら首脳陣から勝者のメンタリティーを吸収し、勝負強い虎に生まれ変わる。

 巨人高橋監督が誕生。DeNAはラミちゃんが指揮を執る。メジャー屈指のパワーを誇るビシエドの中日入団。広島からマエケンがいなくなり…。他球団の動向に一喜一憂する男ではない。鳥谷はオフの日刊スポーツ紙面をプロジェクター画面で見返しながら、冷静にセ・リーグ6球団の戦力を分析した。

 鳥谷 どこが抜けているとかはないと思う。(警戒するチームは)ヤクルトの打線だったり、巨人のバランスであったり。でも、この戦力で絶対大丈夫、不安はないというチームはないんじゃないか、と。どのチームも1位から6位まで可能性があると思います。

 阪神は今冬、首脳陣の組閣後は比較的静かなオフを過ごした。新助っ人ヘイグらを獲得する一方、マートンを放出。守護神呉昇桓も縦じまを脱いだ。現有戦力の底上げを掲げる金本阪神。他球団と比べて補強に派手さはないかもしれないが、キャプテンは勝負強ささえ手にすれば、虎に勝機あり、と踏んでいる。

 鳥谷 優勝できるか、できないかは、際どい試合で5勝するか5敗するかの違い。それで5ゲーム違うわけですから。大事な試合を取るか、取らないかが重要になる。

 チームはここ数年、秋の大失速が目立つ。昨季も9月以降は9勝15敗1分けの勝率3割7分5厘で優勝を逃した。他球団を見ても、DeNAは昨季前半戦を首位で折り返しながら最下位フィニッシュ。勝負どころを制せば天国、踏ん張れなければ地獄。今季もだんごレースをイメージするからこそ、勝負強さを最重視する。

 鳥谷 (失速の)原因が分かれば治すけど、まだ分からない。技術の問題なのか、気持ちの弱さなのか…。そういう意味では、勝ち方を知っている先輩たちが帰ってこられるのは大きいことだと思います。

 金本監督、矢野作戦兼バッテリーコーチら03年、05年の美酒を味わったレジェンドたちが今オフ、首脳陣としてチームに復帰。機は熟した。勝者のメンタリティーを吸収し、虎は生まれ変わる。【佐井陽介】