プレーする前から、大活躍の予感だ。巨人ギャレット・ジョーンズ外野手(34=前ヤンキース)が27日、来日した。メジャー通算122本塁打の左の長距離砲は、巨人の新外国人が成功する要素に挙がる「美人妻」「日本野球の予習」「背番号5」という“三種の神器”を兼ね備えていた。ギャレットが、昨季不振に苦しんだ巨人打線の軸になる。

 満面の笑みは、自信の表れだった。ギャレットはコンディションを聞かれ、「グッド!」と声を張った。「日本に来られてうれしい。長旅だったけど野球ができる日がついに来た」と喜びでいっぱい。メジャー通算122発の実力に加え、巨人で成功する助っ人の“3つの条件”を持ち合わせていた。

 (1)美人妻 キャシー夫人(25)は元ソフトボール選手でジュニア五輪に出場し、メジャーで球宴出場歴のあるロン・クーマー氏(元ツインズ)のめいにあたる美人だ。昨季はマイコラスがローレン夫人の来日を力に13勝3敗と1年目から大活躍した。家族思いはギャレットも同じ。「長男のジャクソンは昨日4歳の誕生日だったんだ。妻も3月中旬には来ると思う」と家族のサポート態勢は万全だ。

 (2)日本野球の予習 昨季、先発で8勝したポレダと同様、来日前に高倉健主演の日本映画「ミスター・ベースボール」を鑑賞した。前ヤンキースの左打ちの強打者が、日本野球を理解してリーグ優勝の立役者となる物語。キャシー夫人が「主人公と双子みたいにそっくり! 日本に来る運命だったのよ!」とツイートするほど重なり合う。

 (3)背番号5 メジャーで監督としても活躍したデーブ・ジョンソン、DeNAラミレス監督、同ロペスと、加入1年目でつけた選手は大成する傾向がある。ギャレットは「何番でも僕にはいい番号だ」と喜んだ。

 勤勉まで兼ね備える。春季キャンプで臨時コーチを務めるOBの松井秀喜氏に「去年、ヤンキースの春季キャンプに来た時にひと言、ふた言、交わした。同じ左打者。日米の違いにどう対応したのか。打撃のことを聞きたい」と、弟子入りを志願した。成功の条件がそろう新助っ人は、由伸ジャイアンツの救世主になる可能性を十分に秘めている。【浜本卓也】

 ◆巨人背番号5の外国人 初めて着けた外国人は75年のジョンソン。来日1年目は「ジョン損」と酷評されたが、2年目はベストナインに輝いた。以降のリンド、パセラ、ディロン、ゴンザレスは活躍できず。08~11年はヤクルトから移籍のラミレス(現DeNA監督)が着け、2度MVPに輝いた。13、14年は現DeNAのロペス。15年はキューバ代表、セペダが背負った。