Vの使者だ! 広島の新外国人ジェイソン・プライディ外野手(32=アスレチックス)が27日、ブレイディン・ヘーゲンズ投手(26=レイズ3A)とともに来日した。11年にドジャース黒田に1発を見舞ったスラッガーは、昨季得点力不足に陥った打線の救世主として期待される。すでにチームメートから日本球界の情報を収集。ひげを蓄えた見た目以上のインパクトをバットで示すに違いない。

 歴史的な寒波が去ったばかりの日本に、半袖姿の救世主が降り立った。日本での、広島でのプレーを心待ちにする熱い思いが、プライディの体からほとばしっていた。

 「すごく楽しみ。日本でプレー経験のある人に話は聞いている。環境になれるよりも、まずは楽しみたい。一生懸命プレーしたい」

 チームメートとなるエルドレッドとジョンソンとは同じ代理人事務所で、来日前から情報を収集した。球団からもらった映像も確認済み。トレードマークの蓄えたひげをなでながら、自信に満ちあふれた表情を浮かべた。

 06年から蓄えるひげは、球団によってマイナー降格時にそらなければいけなかったが、過去2年はそっていない。「奥さんが格好いいと言って、理解もあって伸ばしている。ひげをそると格好良くないからね」とあいさつ代わりのジョークを飛ばす。ただ格好だけでなく「ひげをそっていない2年は数字がいい」。昨季は3Aで127試合、打率3割1分、20本塁打、89打点、20盗塁の好成績。験担ぎになりつつある。

 メジャー通算5本塁打のうち1本は黒田から放った。メッツに在籍した11年5月6日。ドジャース黒田から右中間へ逆転3ランを放ち黒星を付けた。「ビッグネームから打てたすごくいい思い出。日本のレベルの高い投手と戦うのも楽しみだ」。日本でも大物打ちでチームを助けたい。

 昨季広島はリーグ3位の506得点、同5位のチーム打率2割4分6厘に終わった。特に接戦での一打を欠き、1点差敗戦が26試合を数えた。プライディは、得点力アップの切り札として期待される。「年を重ねるごとにスピードとパワーを融合させてきた」。任された打順によって役割を全うしてきた。広島では中軸として打点を荒稼ぎするつもりでいる。【前原淳】

 ◆ジェイソン・プライディ 1983年10月9日、米国生まれ。02年ドラフトでデビルレイズ(現レイズ)から2巡目指名。今季はアスレチックスで6試合出場も9打数無安打。メジャー通算は133試合、打率2割1分6厘、5本塁打、24打点、7盗塁。185センチ、93キロ。右投げ左打ち。