メジャーが「二刀流」を認めた。日本ハム大谷翔平投手(21)がフリー打撃で59スイングで20本の柵越え。推定150メートルの超特大弾も放った。「まだ真っすぐだけなので。実戦でどうなるかは分からない」と控えめだが、オフの筋力アップの成果もあり「体全体の出力は上がっていると思う」と手応えも口にした。

 ざわついたのは、打撃ケージ裏に陣取ったパドレスの関係者。現役時代に球宴に2度出場したパドレスのマーク・ロレッタ・ベースボールオペレーション特別補佐(44)は「マツイ(秀喜)とは何度も対戦したが、練習中のパワーでは互角。投手に専念させるのはもったいない」と絶賛し、「ぜひウチに欲しい。下さい」と冗談交じりに“勧誘”した。パドレスはDH制のないナ・リーグに所属していることもあり「大谷くらいのスキルがあれば(9番投手ではなく)打順も上にあげる可能性はある」と、具体的な起用法まで明かした。

 ◆マーク・ロレッタ 1971年8月14日、米カリフォルニア州出身。右投げ右打ちの内野手。93年ドラフトでブルワーズ入団。5球団を渡り歩いたがパドレス時代の04年に208安打で打率3割3分5厘とキャリア最高の成績。この年はオールスター戦に出場し、シルバースラッガー賞も受賞。メジャー通算1726試合に出場し1713安打。打率2割9分5厘、76本塁打、629打点。09年のシーズン後に引退。

 ◆シルバー・スラッガー賞 大リーグのア、ナ両リーグでポジションごとに選ぶ打撃のベストナインに相当する賞。1980年に米バットメーカー「ルイビル・スラッガー」社の主催で始まった。