「ゴルフ理論打法」で高橋監督のハートを打ち抜く。巨人ドラフト2位の重信慎之介外野手(22=早大)が休養日の10日、宿舎の近くの屋外カフェで読書をするなど、今日11日からの練習に向け、心と体をリフレッシュした。打撃では左手にバッティンググローブをしないなど、独自の考えを貫く。12日以降にも行われる紅白戦の初戦に2番で先発出場が予想され、猛アピールする。

 重信が太陽の光を十分に浴び、疲れた体を癒やした。「こういうオフも良いですね」と、大好きなゴルフを封印してリフレッシュした。全ては1軍で結果を出すためだ。「とにかく(16日からの)沖縄キャンプに行きたい。結果を出さないと。自分のスタイルを出していきます」と第3クールでの猛アピールを誓った。

 ここまで唯一無二のスタイルで存在感を示している。バットを握る手には、右手しかバッティンググローブをしない。「右手で打ちたいので。このスタイルはゴルフから来てると思います」。中学2年でスコア72の腕前ならではの発想だった。

 元楽天の山崎武司氏、元ロッテ里崎智也氏(日刊スポーツ評論家)は現役時代、片方だけにグローブをはめていたが、近年では両手が主流となっている。重信は「両手に手袋をすると左手で押し込んでしまう。前でさばきたい。右手でリードしたいので、意識させるために左手に手袋をつけないようになった。イメージは左手の力はゼロです」。

 ゴルフでも余計な力が入ればスライス、フックと狙い通り打てない。中学2年の時にラウンド中、「野球でも同じ」と感じ、打撃練習で試すと力みがなくなり打ち損じが減った。ゴルフは祖父と父の影響で3歳から始めた。野球より先だった。ドライバーの最長飛距離は330ヤードで、得意クラブは4番ユーティリティー、バンカーショット、パターと大技から小技までこなす。

 パターでラインを読むように、打撃でも守備位置を見て、空いているスペースを狙う。大きな打球も打てる。外野には長野、ギャレット、立岡、亀井、鈴木といった“シングルプレーヤー”がいるが「何とか食らいついていきたいです」と意気込む。正確なショットを武器に、先輩との差を1打ずつ詰めていく。【細江純平】

 ◆重信慎之介(しげのぶ・しんのすけ)1993年(平5)4月17日、千葉・佐倉市生まれ。早実では1年秋から三塁手でレギュラー。2年夏に甲子園出場。早大では1年春からベンチ入りし、2年春に外野手転向。4年秋は打率4割3分2厘で首位打者とベストナインを獲得した。50メートル走は5秒7。173センチ、70キロ。右投げ左打ち。血液型A。