元プロ野球選手の清原和博容疑者(48)が覚せい剤取締法違反(所持)容疑で逮捕された事件で、警視庁は15日、同容疑者に覚せい剤を譲渡した疑いで、群馬県みどり市の無職小林和之容疑者(44)を逮捕した。沖縄で身柄確保された。清原容疑者は、逮捕後も入手経路は供述しておらず、同庁は今後、詳しい密売ルートを調べる。日刊スポーツの取材では、清原容疑者はこれまで群馬県在住の大物女密売人のルートで覚せい剤を入手していたとの証言が出ていた。

 警視庁によると、小林容疑者の逮捕容疑は、1月31日午後9時前、営利目的で群馬県太田市のコンビニ駐車場に停車中の乗用車内で、清原容疑者に覚せい剤約0・2グラムを4万円で譲り渡した疑い。

 小林容疑者は「まったく知りません」と容疑を否認している。

 捜査関係者によると、小林容疑者の身柄は15日午後5時半過ぎ、沖縄県内で確保されたという。逃走していた可能性もある。警視庁は詳しく調べる方針。

 清原容疑者はこれまで、群馬や栃木県に行った後に都内のホテルに入る行動を複数回繰り返していた。警視庁はこれまでの調べで、清原容疑者が逮捕前日の今月1日に群馬県方面に行っていたことを確認。北関東で密売人と接触、覚せい剤を購入していたとみて、携帯電話の通信記録を解析し、入手経路を調べていた。

 これまでの調べで、清原容疑者は1日に密売人と接触後、都内に戻り高級ホテルに宿泊。2日に都内の自宅マンションに戻り、覚せい剤取締法違反(所持)容疑で現行犯逮捕された。1月31日夜には、栃木県のコンビニでの目撃情報も出ている。

 清原容疑者は逮捕後、所持容疑を認めた上で、「腕に注射したり、ガラスパイプであぶって吸ったりしていた」と、使用についても供述。覚せい剤を受け取った状況の供述を始めていたが、入手ルートに関しては、供述を拒んでいた。

 12日には、東京地裁が14日から10日間(最大23日まで)の勾留期限延長を決定していた。

 清原容疑者の覚せい剤の入手先をめぐっては、かねて「北関東ルート」が有力視されてきた。多い時には月に数回、群馬や栃木県周辺に、自分で車を運転して移動。密売人から直接、覚せい剤を購入していたとみられていた。

 一方、群馬県南部の「シャブ御殿」と呼ばれる家に住む、通称「シャブ(覚せい剤)ばばあ」といわれる女密売人のルートで、覚せい剤を定期的に入手していたとの証言も、県内の関係者から出ていた。この女性は、長年の覚せい剤密売で「シャブ御殿」と呼ばれる自宅を建てたほどの大物。裏社会に詳しい関係者からは、小林容疑者はこの女につながる人物との情報も出ている。