中日がオープン戦開幕戦でいきなり自滅した。ロッテ戦(北谷)は4-9で完敗。先発若松がまさかの2回6失点。その後も攻守にミスが連発した。専任監督になっての初陣だった谷繁元信監督(45)は、掲げていた「ミスを減らしていく」のテーマとは裏腹の展開におかんむり。宿題だらけの船出になった。

 左翼ナニータがフェンス際で不自然に半回転した。初回、ロッテ井上の飛球は強風に大きく流された。ナニータは落下点を誤り、ボールはポトリ。記録は三塁打。先発若松は心が折れたように連打を浴びた。初回に3失点。試合の流れはもう戻ってこなかった。

 ベンチの端にいた谷繁監督の表情は終始、険しかった。「まず初回のフライ。あとは福田のエラーにしても下手なのは練習するしかない。続けていることをしっかりやっていって、レベルを上げていかないと」とピシャリだ。

 最後2回を投げた福谷、田島のストッパー候補はともに一塁福田の失策から失点した。「味方のミスのあとはもうひと踏ん張りしてほしい」と注文をつけた。全員で大量点差をカバーすべき状況下で、ずるずる追加点を許した。

 攻撃でも手痛いミスがあった。3回1死から中前打で出塁した古本がアウトカウントを勘違い。続く大島の中飛でベースを全力で回り、併殺を食らった。4回、5回も先頭が四球で出塁しながら二塁にも進めることができなかった。

 見えない“ミス”にも言及した。2回6失点と大荒れだった先発バッテリー。若松の制球ミスは誰の目にも明らかだが、バッテリーとしての責任に言及。「いまひとつ呼吸が合っていない感じがした。(木下は)前回の実戦と同じようなミス。彼はこれから覚えていけばいいんだけど」。新人捕手にも反省を求めた。

 前日、指揮官は「走攻守でミスを減らしていく」とオープン戦のテーマを掲げていた。皮肉にも初日にミスが連発した。開幕まで1カ月。今年も守り勝つ野球を目指す谷繁監督にとって頭が痛い初戦になった。【柏原誠】