プロ初の対外試合に臨んだ阪神ドラフト2位坂本誠志郎捕手(22=明大)が初長打を放った。6回守備から出場し、7回2死走者なしの場面。3-1と有利なカウントから、左腕大塚の内角直球をさばいて左翼線へ。余裕のスタンディングダブルだ。

 「打つべきボールをしっかりと打てたことは良かった。ちゃんと準備できていた」

 プロ入り前からリード面を高く評価され「守れる捕手」と言われる坂本は準備を重んじる。それはバットを握っても同じだ。実戦デビューとなった11日紅白戦で適時打デビューを飾ったが、続く14日紅白戦では3タコ。能見ら一線級の直球に対応できなかった。ストライクゾーンに来た直球を振り抜く。この日は、そのことだけを頭にたたき込んでいた。

 マスクをかぶっては6回から4イニングを無失点リード。それでもまじめな坂本は「もっと投手のいいものを引き出していけるようにしたい。この時期はそこが大事だと思う」と、反省を忘れない。

 試合後にはサブグラウンドに直行。矢野作戦兼バッテリーコーチから送球などのレッスンを受け、その後はファンのサインにも応じた。球場を後にするのは決まって最後だ。キャンプも終盤に突入。宜野座でたった1人のルーキーは、最後まで突っ走りそうな勢いだ。【桝井聡】