あるぞ、本拠地・巨人戦デビュー!! DeNAのドラフト1位今永昇太投手(22=駒大)が23日、韓国サムスン戦に先発。球威ある直球を軸に4回を2安打、無失点の好投を披露した。昨年10月23日の指名あいさつで「最初の巨人戦で勝ってもらいたい」とデビューの青写真を描いていたアレックス・ラミレス監督(41)も、実戦2試合で7回無失点の結果にニンマリ。開幕ローテーションの有力候補に挙げた。

 膝元にズバッと直球を投げ込んだ。プロ2戦目の実戦登板となった今永が、強気の投球で押し切った。韓国の強豪サムスン戦。1回先頭の左打者の初球だった。「左のインコースをどれだけ投げきれるかがテーマだった」との言葉通り、内角低めに直球を突き刺した。続く2番の右打者にも内角攻めで追い込むと、最後はスライダーでタイミングを外し捕邪飛。3番の右打者には外角いっぱいへの直球で、見逃し三振の3者凡退に片付けた。

 大学時代からマイナーチェンジした投球フォームがしっくりはまっている。投球前のグラブの位置を胸からへその前に落とし、あごを引いた状態から一気に腕を振り下ろす。この日の最速146キロ。球威十分の投球は、上半身をリラックスさせて体幹を使うことを心がけている。「理想はキャッチボールのような感じがいい。力を抜くというよりは、力を入れない」と理想のイメージを説明した。

 頭と心を駆使した投球スタイルが持ち味の1つだ。実戦初登板となった17日の韓国・KIA戦前に、ロッカールームでたまたま置いてあった知恵の輪を手に取った。「3つの輪を外す一番難しいのを30分以上かけて外しました」と明かし、外した後に隣にいた先輩の小杉から「力じゃなくて頭だよ」とアドバイスされた。実戦2戦で7回無失点と好投を続ける中でも、危機感を強調。「このままいくとは思っていない。プロの世界は簡単じゃない」とメンタル面には緩みはない。

 ラミレス監督の“青写真”も現実味を帯びている。ドラフト後の指名あいさつで今永と初対面したときに、初めての巨人戦でデビューさせる意向を示唆。試合後、「まだ日本のチームと対戦していない」と慎重ながらも、「私の気持ちは変わっていない。このままいってくれれば100%だ」と、3月29日からの本拠地開幕カード(巨人戦)での先発デビューに前進したことを明言した。1位単独指名で獲得した即戦力左腕への期待値は、日に日に上昇している。【為田聡史】

 ◆DeNAの開幕ローテーション候補 開幕投手に内定している山口は確定。実績がある久保康、井納、モスコーソも有力。残りの2枠を右腕では新外国人のペトリック、三嶋、ドラフト2位熊原、左腕では石田、砂田、ドラフト1位今永の6投手で争う。三浦について、ラミレス監督はフルシーズンの1軍を示唆、登板は「少し遅めの4月ぐらいから」と説明している。