中日が2月29日、沖縄・北谷球場でキャンプを打ち上げた。レギュラー争いの場は名古屋へ。即戦力として高い期待のかかるドラフト3位木下拓哉捕手(24=トヨタ自動車)は、まだ固定されていない正捕手の座を目指し、アピールを続ける決意を新たにした。

 「帰ったらオープン戦もありますし、しっかりアピールしたいです。打てていることは悪くはない。まずは失点を減らすことをやっていきたいです」。2月の1カ月間で真っ黒に日焼けした顔を引き締めた。

 沖縄での対外試合4試合でマスクをかぶった。全ての試合で失点を記録。「プロの打者は甘い球を見逃してくれない。課題を必死につぶしていくしかないです」と食らいついている最中だ。ホテルに戻れば、気づいたことをノートに書き込んだ。バットでは5打数3安打2打点と結果を残し、谷繁監督から「実戦向きだね」と評価を受けていた。

 今キャンプ、監督専任となった指揮官は若手捕手たちに厳しい指導をしてきた。正捕手不在がチームの課題。頭の中には順位付けはできているが、確定ではないのが現状。開幕までの約3週間で大きく変動する可能性はある。谷繁監督は「木下にとってこれから起こることは全て新しいこと。勉強していってほしい」と期待。名古屋に帰ってからのアピールが大きなカギとなる。

 木下は「まだ投手を把握しきれていない。沖縄でも捕手の振り返りで投手の映像を見ましたが、名古屋に帰ればもっといろんな投手とバッテリーを組むと思う。早く特徴をつかみたい」。課題を1つずつクリアしていく先に開幕マスクの栄誉がある。【宮崎えり子】

 ▼中日の新人捕手が開幕戦に先発すれば、ドラフト導入後初。セ・リーグでは過去2人で、78年山倉和博(巨人=早大)01年阿部慎之助(巨人=中大)。なおドラフト入団で他のポジションも含めれば、中日では10年大島洋平中堅手(日本生命)まで過去7人いる。