阪神金本知憲監督(47)が2日、ドラフト1位高山俊外野手(22=明大)を開幕前のオープン戦全14試合にスタメン起用したい意向を明かした。新戦力を隠す戦術もあるが、高山の打撃を評価し、プロの投手への慣れを最優先して起用していく。1軍練習で本拠地甲子園に「初見参」となった高山も、心新たに左翼の定位置取りを誓った。

 初の甲子園練習でも長打性を連発した高山を、金本監督は感心したように見守った。2月のキャンプでは25日に1軍昇格して以来、一切アドバイスはしてない。満足そうにうなずくと開幕1軍、左翼の定位置取りを見据えた育成計画を明かした。

 「形がしっかりしてるし、(他の選手と)違うものを見せてくれているからね。基礎作りは完了。これからはプロの投手の投球を見せたいし、ある程度(打席に)立たせたい」

 今日3日のソフトバンク戦から本格化するオープン戦。指揮官は高山を積極的にスタメンで起用したい考えを示した。開幕まで14試合。特にセ・リーグのライバル球団相手に隠す戦術もある。だが金本監督は「隠すって意味分からん。1試合やったら、バレバレよ。慣れが一番。場面、場面でどんな球を投げてくるか。雰囲気に慣れ、経験して慣れることが一番よ」と一笑に付した。

 相手に研究されても高山なら大丈夫。むしろ、プロの球に慣れることで得るメリットの方が大きい。21日オリックス戦(京セラドーム大阪)まで14番勝負を挑ませ、さらに進化を発揮させる方針だ。

 左翼でノックを受けた高山も、決意を新たにした。千賀と摂津が先発してくる3日からのソフトバンク2連戦に向け、「投手が誰とかより、自分の力を発揮したい」ときっぱり。監督の期待に応えて14番勝負を制し、一気に新人開幕スタメンを勝ち取る意気込みだ。【松井清員】