突貫工事で送球力を高めマ~ス! 阪神の新外国人マット・ヘイグ内野手(30=ブルージェイズ)が11日、甲子園全体練習に参加し、守備力向上に意欲を見せた。米国では珍しい土のグラウンドを本拠地とする上で、下半身主導の送球が重要だと力説した。開幕に向けて、甲子園戦は今日12日からの日本ハム2連戦が最後。スローイングする際のステップに修正を加え、不安要素を取り除く。

 真面目助っ人はやはり、不安要素を即座に解消しようと試みていた。若手野手が打撃ケージ内でバットを振り込む中、10分、20分…。ヘイグは三塁守備位置に張りつき、黙々とノックを受け続けていた。

 「守備の面でも、もっともっとうまくなりたいんだ。コーチと一緒にね。いい感じで自分の体をコントロールできるようにしていきたいと思っているよ」

 左脇腹の張りが癒えて1軍復帰し、甲子園でオープン戦2試合を終えた。打っては計5打数1安打ながら、金本監督がヒットに認定するライナー性2本も含む上々の内容。ただ一方、三塁守備には課題も残った。送球だ。

 8日西武戦では4回無死一、二塁の場面。三ゴロをさばいた後、「ちょうど二塁走者とかぶった」ことも影響して、二塁送球がそれて併殺を取れなかった。10日DeNA戦でも平凡な三ゴロで一塁送球がそれた。どちらもアウトは取れたものの、ヒヤリとする内容ではあった。

 「土のグラウンドは芝より下が軟らかいから、今まで以上に下半身を使って投げないといけない」

 米国では芝のグラウンドを主戦場としたが、甲子園の内野グラウンドは黒土。すぐさま修正点に気づいた。強靱(きょうじん)な上半身を生かしたパワー送球ではなく、今は下半身主導を意識している。

 「ステップが後ろにクロスして入ってしまう。そこを修正したらどうか、という話をしてもらったんだ」

 ノック後は久慈内野守備走塁コーチと改善点を確認した。もともとは捕球後、右足が送球方向に出ず、左足の後ろに流れてしまう癖があるという。課題を先送りせず、一気に修正してしまおうという算段だ。

 開幕まで残り2週間。本拠地甲子園戦は今日12日からの日本ハム2連戦しか残されていない。貴重な舞台を生かさない手はない。安心してください、守れますよ! バットだけでなくグラブでも信頼を勝ち取るため、地道に反復練習をこなしていく。【佐井陽介】